


【絶食検査】
● 血液学検査
・ 白血球、赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球恒数(MCV、MCH、MCHC)、
血小板
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血球成分の量を調べます。 |
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貧血、多血症、白血病、炎症などの診断に有用です。
赤血球恒数(MCV、MCH、MCHC)は、貧血の種類の判定の指標となります。 |
・ 血液像(白血球分画)
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白血球は好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球に分けられます。正常な状態の時は各血球の割合が一定範囲内に保たれています。血液像はその増減と異常細胞の有無を調べます。 |
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感染症、炎症、白血病、甲状腺機能障害、アレルギー性疾患などの診断に有用です。 |
● 血清学検査
・ ASO、CRP、RF、HBs抗原、HCV抗体、RPR・TP抗体、ヘリコバクターピロリ抗体
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細菌やウイルスによる感染症の有無とリウマチ因子を調べます。 |
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ASO : 溶血性連鎖球菌(溶連菌)の感染の有無
CRP : 体内の炎症の有無
RF : 関節リウマチの診断に有用
HBS抗原 : B型肝炎ウイルス感染の有無
HCV抗体 : C型肝炎ウイルス感染の有無
RPR・TP抗体 : 梅毒感染の有無
ヘリコバクターピロリ抗体 : ピロリ菌感染の有無
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・ 血液型
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血液型(ABO式、Rh(D)式)を調べます。 |
● 肝機能検査
・ AST、ALT、LD、γ-GT、ALP、LAP、コリンエステラーゼ、総蛋白、アルブミン、
総ビリルビン
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主に肝臓の機能を調べます。 |
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アルコール性肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝がん、肝胆道系疾患、心筋梗塞などの診断に有用です。 |
● 腎機能検査
・ BUN、クレアチニン、eGFR、尿酸
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腎臓から尿に排出される物質で、腎臓の機能を調べます。 |
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腎炎、排泄障害などの診断に有用です。
尿酸は高尿酸血症、痛風などの診断に有用です。 |
● 膵機能検査
・ アミラーゼ
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膵臓や唾液腺から分泌される消化酵素で、主に膵臓の機能を調べます。 |
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膵炎、膵腫瘍、耳下腺炎などの診断に有用です。 |
● 糖代謝検査
・ 血糖、HbA1c
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血糖は、血液中のブドウ糖を調べます。
HbA1cは、過去1〜2ヶ月間の平均した血糖の状態を調べます。 |
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糖尿病の診断に有用です。 |
● 筋疾患検査
・ CK
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筋肉や心筋に多く含まれるため、筋肉に障害を受けると血中濃度が上昇します。
骨格筋、心筋などの障害を調べます。 |
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筋ジストロフィー、多発性筋炎、心筋梗塞などの診断に有用です。 |

● 脂質代謝検査
・ 総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪
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脂質代謝異常を調べます。
脂質代謝異常は総コレステロール、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、中性脂肪のいずれかが高値となるか、
HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低値となった状態を言います。 |
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脂質代謝異常があると動脈硬化が進み、狭心症、心筋梗塞、脳血管障害、大動脈瘤などを引き起こす危険があります。 |
● 電解質等
・ ナトリウム、クロール、カリウム、カルシウム、無機リン
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電解質とはミネラルのイオンのことで、体液中でバランスよく一定の濃度を保っています。このイオン濃度を測定し、バランスの崩れを調べます。 |
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脱水症、腎機能障害、副甲状腺機能異常などの診断に有用です。 |
・ 血清鉄、TIBC、UIBC、フェリチン
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主に貧血を調べる検査です。
血清中の鉄(血清鉄)は全てトランスフェリンという蛋白と結合しています。この蛋白と結合できる鉄の総量がTIBC(総鉄結合能)です。
フェリチンは生体内で鉄を貯蔵する蛋白です。 |
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鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、白血病、肝疾患や感染症などの診断に有用です。またフェリチンは、各種がんの腫瘍マーカーとしても利用されます。 |
● 甲状腺検査
・ TSH、フリーT3、フリーT4
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甲状腺の機能を調べる検査です。 |
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甲状腺機能亢進症(主にバセドウ病)、甲状腺機能低下症(主に橋本病)などの診断に有用です。 |
● 腫瘍マーカー
・ CEA、AFP、CA19-9、シフラ、PSA、CA125
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悪性腫瘍(がん細胞)が体内にできたとき、血中に増加する特殊な蛋白を調べます。がんなら必ず検出されるわけではなく、早期がんでは反応の弱いものや、がん以外の病気でも増加することがあります。 |
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各マーカーの主な疾患部位
CEA : 主に大腸、胃などの消化器
AFP : 肝臓
CA19-9 : 膵臓、胆道系
シフラ : 肺
PSA : 前立腺
CA125 : 卵巣 |
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